国土交通省は13日、中小・中堅建設企業の経営面や技術的な相談を受け付ける「活性化支援相談窓口」を開設した。中小企業診断士や公認会計士などの専門家が建設企業からのさまざまな相談に応える(初回相談は無料)。相談企業の中から、担い手の確保・育成や現場の生産性向上に取り組む企業を発掘。企業グループを結成してもらった上で、専門家のチームが継続的に支援する「コンサルティング支援」や、上限300万円の助成金を交付する「ステップアップ支援」といった重点支援の対象を選ぶ。
相談窓口は、2015年度当初予算に盛り込まれた「地域建設産業活性化支援事業」の入口の役割を果たす。建設業振興基金や各地方整備局など全国11カ所に窓口を設け、年間1000件程度の相談に応じる。13日にはポータルサイトも開設し、サイトを通じて相談を申し込むこともできるようにした。
中小企業診断士、技術士、1級施工管理技士、登録基幹技能士などの「地域活性化アドバイザー」が、技能者の育成、工程管理の改善、新技術の開発、建設業許可業種の追加などの相談に応える。1回目の相談は無料、2回目は2700円を相談企業に負担してもらう。
担い手確保・育成や現場の生産性向上に取り組み、モデル性の高い企業の中から重点支援の対象を発掘する。まず、対象となる企業をアドバイザーや国交省などがマッチングし、企業グループを結成してもらう。結成された企業グループに対し、アドバイザーらによるコンサルティングチームを派遣する「コンサルティング支援」と、事業実施に必要な経費を助成する「ステップアップ支援」といった重点支援を行う。
重点支援の対象となる事業のイメージとしては▽防水工事業者が連携して新資材を開発▽地域企業が連携して情報化施工を導入▽とび・土工工事業者が連携して新資材を開発▽異業種企業の連携で多能工を育成▽ヘリコプターを使用した点検・診断システムの開発―などを例示している。
対象グループは8月にも決定する見通し。重点支援の対象グループの成果は、ケースブックを作成して関係者らに配布するほか、ポータルサイト上でも公開し、他企業の取り組みに生かしてもらう。
提供:建通新聞社