国土交通省は、直轄の営繕工事で使用している「営繕工事積算チェックマニュアル」を改定し、初めてホームページで公開した。マニュアルは、積算数量の拾い忘れなどを防ぐため、設計業務を受託する設計事務所などが積算業務の各段階でチェックすべき項目、数量確認のための数値指標などを整理したもの。HP上で公開することで、地方自治体の発注工事における数量算出の精度向上に役立ててもらう。
国交省は、直轄の営繕工事の設計業務において、仕様書に営繕工事積算チェックマニュアルを活用するよう求め、積算数量の精度を向上させている。2008年に建築工事、12年に電気設備工事と機械設備工事をそれぞれ作成している。3月の改定では、この建築・電気設備・機械設備工事のマニュアルを統合した。
営繕工事の積算数量は、設計業務を受託した設計事務所が設計図書や施工計画を作成した上で、各工種ごとに算出する。例えば躯体工事では、設計図書に表示されている部材・断面寸法・部材配置などから数量(体積)を算出する。算出された数量は、積算数量算出書と積算数量調書としてまとめられ、予定価格内訳書に反映される。
積算数量の拾い忘れや間違いがあると、工事の入札段階で入札参加者が自社数量との違いを確認、質疑を提出し、発注者が必要に応じて数量書を訂正することなどにつながる。マニュアルは、こうした手戻りを防止するため、積算数量算出書と積算数量調書の作成段階におけるチェックリストで構成。積算すべき仕様・規格ごとの項目や数量積算上留意すべき項目を確認する。
建築工事のみは、積算数量調書作成時に計上する積算数量について、過去の工事などから算出された数値指標などでつくる「数量チェックシート」も盛り込んでいる。
マニュアルを同省ホームページに公開することで、自治体や自治体から設計業務を受託する設計事務所が数量積算に活用しやすくなる。都道府県・政令市を集める全国営繕主管課長会議などでも周知する。
提供:建通新聞社