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2015/04/08

サ高住整備 市町村の関与強化

 国土交通省は7日「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の整備等のあり方に関する検討会」に提示した中間報告案で、サ高住の適正立地を推進する方針を示した。供給戸数の急速な増加で、サ高住の郊外立地が進んでいる現状を是正するため、市街化区域外などにサ高住を整備する際に市町村の同意を求めるよう提言。市町村には、サ高住の供給量の目標や立地の在り方を明示する供給方針を示してもらい、方針に沿った計画には補助金や税制優遇などの公的支援を手厚くする。
 2011年10月に登録制度を創設したサ高住には、補助金や税制優遇などの支援措置が講じられており、2月末時点で約17万6000戸が整備されるなど、急速に供給戸数を増やしている。一方、公共交通機関や医療機関へのアクセスが悪い地域に立地が集中する傾向もみられ、高齢者人口の増加が見込まれる首都圏などで将来的に供給不足が深刻化する懸念も生じているという。
 中間報告案では、こうした地域遍在を解消するため、サ高住の供給に対する市町村の関与を強めることを提言。まず、市町村は「高齢者居住安定確保計画」にサ高住の供給方針を明示し、国交省などはこの方針に沿ったサ高住の整備に補助金、税制優遇、低利融資などの支援策を重点化する。
 都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画を定めた地域では、市町村の同意がないと、同計画の居住誘導区域外にサ高住を整備できないようにするよう提言。立地適正化計画を定めていない地域でも、市町村の同意がないサ高住を市街化区域外に整備することを規制する。都市部の供給戸数を確保するため、公営住宅の建替え余剰地や廃校などの公的不動産(PRE)の活用も進める。
 また、これまでのサ高住は新築物件が大半で、既存ストックの改修などで整備されたものは7%(補助金活用物件のみ)にとどまる。中間報告案では、民間の住宅団地や戸建ての空き家を活用した共同居住用住居(グループリビング)の整備を進めるため、住戸ごとに分散して登録した「分散型サ高住」の整備推進に向け、規制を緩和するよう求めた。
 検討会では今後、中間報告案で示された対策の工程表を策定するとともに、対策の数値目標などを検討する。

提供:;建通新聞社