国土交通省は、営繕工事で適切な工期を設定するための「基本的な考え方」をまとめ、各地方整備局などに通知した。調査・設計、入札契約、施工などの各段階で適正な工期を確保するための考え方を示すことで、工期を設定する担当者間のばらつきを解消する。2015年度には、この考え方に基づく「モデル工期」や「事例集」などもまとめる予定だ。
同省の官庁営繕部と日本建設業連合会、全国建設業協会、日本電設工業協会、日本空調衛生工事業協会が行った意見交換会での議論を踏まえ、25日付で各地整などに通知した。改正品確法で発注者の責務とされた「適切な工期」を実現するため、営繕工事における工期設定の基本的な考え方を初めてまとめた。
通知では、調査・設計、工事発注準備、入札契約、施工の各段階で取り組む方策を明示。調査・設計段階では、設計図書と施設現況に不整合が生じないよう、図面審査を確実に行うことを記載。工事発注の準備段階では、建設資材・労働者確保のための余裕期間の設定などに取り組むべきとした。
また、施工段階で、設計図書と工事現場の不一致などが認められた場合には、工期延長のための契約変更を適切に行うことも求めている。
国交省は、引き続き適切な工期設定について検討し、15年度に施設規模などに応じた「モデル工期」を設定したり、工期をめぐる受発注者間の課題などを示した「事例集」をまとめる。
提供:建通新聞社