日本建設業連合会(日建連)、建設コンサルタンツ協会(建コン協)、国土交通省は27日、国交省直轄工事における高密度配筋の解消に向けた「機械式鉄筋定着工法技術検討委員会」(委員長・久田真東北大学大学院教授)の初会合を開いた。従来工法に比べて施工効率性が高く、すでに大型工事を中心に一般的に採用されている機械式鉄筋定着工法が設計段階で採用しやすくなるよう、2016年3月をめどにガイドラインをまとめる。
阪神・淡路大震災以降、せん断補強筋が増加したことを背景に高密度配筋が進み、コンクリート打設に支障が出るなどといった施工の阻害要因になっている。また、従来型の鉄筋定着工法は、従来のフックによる鉄筋定着が必要なため、鉄筋工の熟練度に施工が左右されてしまう。
これに対し、機械式鉄筋定着工法はフックではなく、定着バーなどで鉄筋を定着させるため、従来工法に比べて配筋を少なくし、高密度配筋の解消に効果がある。すでに、主要メーカーだけでも採用事例は数千件に及んでいるが、設計に関する指針などがないため、設計段階で採用されることは多くなく、工法を採用する施工者の大半は、発注者に「施工承諾」で工法の変更を求めている。
27日に発足した委員会では、発注者、設計者、施工者の代表が集まり、施工承諾によらずに設計段階から同工法を採用するためのガイドラインを作成する。工法を採用する条件などを明示することで、設計者が同工法を採用しやすくするのが狙いだ。
委員会は、製造メーカーなどを加えた幹事会やワーキンググループも設置し、16年3月までの約1年間でガイドラインを作成する。
提供:建通新聞社