国土交通省は、地方自治体などが使用している工事成績評定の実態調査結果をまとめ、25日の「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」に報告した。調査結果によると、都道府県・政令市の4割、中核市の7割が国交省と異なる工事成績実施要領を使用。都道府県・政令市の評定点の平均値は、最高87点から最低65・1点まで21・9点の大きな乖離(かいり)が生じていたことが分かった。
調査は、都道府県、政令市、中核市(人口10万人以上)などを対象に行ったもので、国交省の工事成績実施要領(2009年度版、01年度版)の使用・準用、考査項目、評定の構成(基礎点65点+加点35点)を調べた。
都道府県・政令市では全体の60%が09年度に制定された国交省の要領を使用していたが、人口30万人以上の中核市での使用は27%にとどまった。09年度版をベースに配点を変更しているところも、都道府県で23%、政令市で5%、中核市で16%あった。
要領が異なることなどを背景に、工事成績評定点の平均値にも大きな差が生じている。都道府県・政令市の発注工事(12年10月〜13年9月の完了工事)では、最高87点、最低65・1点の差がある。国交省直轄工事(土木13工種)の平均工事成績評定点は76・9点で、都道府県・政令市の平均値のほぼ中間に位置している。
国交省は、直轄工事の総合評価で自治体の工事成績を評価対象とする「自治体実績評価型」を15年度から全国で試行する。国交省と自治体の工事成績実施要領にばらつきがあるため、自治体の成績には補正を乗じて評価する。また、改正品確法の運用指針では、発注者間で連携を図り、工事成績実施要領の標準化や工事成績の共有化に努めることが記載されている。
提供:建通新聞社