国土交通省は24日、「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」に、直轄工事における若手技術者の配置を促す入札契約方式の実施状況を報告した。この中で「専任補助者」の実績・成績を若手の主任・監理技術者の代わりに評価する方式について、補助者の専任を求めず、企業による支援体制を評価するなどの改善案を提示。若手の現場代理人・担当技術者としての実績を主任技術者・監理技術者の実績と同等に加点評価する方式は、若手の登用につながり、工事成績の低下もみられないとして、今後も各地方整備局で試行を継続する方針を示した。
国交省の直轄工事では、30代前半の技術者を担当技術者、40代前半の技術者を主任・監理技術者とし、若手技術者の配置を促進する方針。すでに、各地整ごとに参加要件の緩和や総合評価における加点措置を講じている。
若手技術者をサポートする専任補助者の実績・成績を若手の代わりに評価する方式は、北海道、東北、北陸、近畿、中国、九州、沖縄の各地整などで試行。ただ、若手の主任・監理技術者と専任補助者の2人を配置するため、企業側の負担が重くなり、実際に専任補助者を配置した企業は試行件数の1%にとどまる。
このため、国交省は、すでに一部の地整で進めている専任補助者の配置を求めずに企業の支援体制を評価したり、若手技術者の参加要件とする同種工事実績の要件緩和などを全国に展開する考え。
一方、主任・監理技術者として配置する若手技術者の同種工事の実績では、全地整が現場代理人や担当技術者としての実績に何らかの加点措置を講じている。国交省は、全試行工事に占める加点措置を適用した落札者の割合が43%と高く、工事成績も低下していないため、全地整で継続的にこの方式に取り組む方針だ。
このほかの若手技術者の配置を促す取り組みとしては、関東地整が35歳以下の担当技術者の専任配置を加点評価する方式、九州地整が40歳以下の主任・監理技術者の配置を参加要件とする方式を試行しているが、いずれも試行件数が10件に満たたないため、引き続き試行の影響や効果を検証する。
提供:建通新聞社