全国中小建設業協会(全中建、松井守夫会長)は18日に都内で協議員会を開き、2014年度の事業実施状況を報告した。松井会長は、改正品確法をはじめとする担い手3法の成立などについて歓迎の姿勢を示した。一方で、中小企業の経営環境を改善するためには、最低10年以上の継続した公共事業予算の確保や歩切りの撤廃などが必要であると訴えた。15年度も意見交換会や各検討委員会を実施し、国や地方自治体に対して要望していく。
議事では、各委員会の活動状況や15年度の予定を説明。建設業振興対策委員会の小野徹委員長は、操業10年未満の「新規中小企業者」の受注機会確保を目的とした「中小企業需要創生法案」が閣議決定されたことに触れ、「国土強靭(きょうじん)化や地方創生のために公共工事の品質確保が求められている中で、経験の浅い事業者が参入すれば中小企業の過酷な競争を助長する」と警戒感を示した。今後、全中建としての意見をまとめる方針だ。
土木委員会は学生のインターンシップについて報告。工業高校の土木科で建設業以外の他業種に多くの学生が流れている現状を受け、普通科や小・中学校などを含め、土木科にこだわらず地元建設業の魅力を幅広くPRしていくとした。また、パッケージ型積算方式について、19日に国交省とヒアリングを実施することを明らかにした。
このほか、国土交通省の土地・建設産業局から佐藤守孝入札制度企画指導室長を招き、「担い手3法の改正と今後の建設産業」と題した講演を開いた。佐藤室長は、品確法の運用指針に基づいて各発注者が適切に発注関連業務を実施するための仕組みとして、地域発注者協議会の体制強化や都道府県ごとの協議会の設置、「建設業フォローアップ相談ダイヤル」の開設などの施策を説明した。
提供:建通新聞社