全国建設業協会(全建)は、建設業で女性の活躍の場を広げるためのロードマップを作った。国土交通省と建設業5団体で策定した行動計画(2014年8月)をベースに▽入職増▽職場環境▽スキルアップ▽情報発信―をめぐる取り組みの方向を整理。インターンシップを通じた採用活動や責任あるポジションへの登用、企業を越えた女性のネットワーク形成などの必要性・重要性を説いている。今後、冊子にして傘下の各都道府県協会などに配り、企業・現場の意識改革を促しながら「建設業に働く女性の倍増」を目指す。
労働委員会に設けたワーキンググループで審議したり、都道府県協会の会員企業に対する女性職員の在職状況アンケートを実施するなどして作成。12日の理事会で承認を得た。
入職増に関しては、インターンシップや出前講座、現場見学会、女性の交流会、合同企業説明会を各地域で継続。専門工事業者などにも積極的に参加を呼び掛けて「建設現場の女性技能者を増やすための採用を自ら行い、あるいは下請企業等の採用活動を支援する」ことが必要とした。いったん退職した女性に職場復帰を促す方策を含め、取り組みを進めるためには「トップ自ら明確な方針を示す」ことも重要だと指摘している。
企業を越えた女性のネットワーク形成は、職場環境の中で提唱。トイレ・更衣室の整備やセクハラ防止のための相談窓口(社内、現場)の設置、男性職員が育児・介護・家事に積極的に関わることができる仕組みなどとともに、「就職後の女性の定着」を図る観点から重要とした。
責任あるポジションへの登用は、スキルアップの一環で「女性の意欲や充実感を高める」方策として進める。資格取得の支援や、富士教育訓練センターと三田建設技能研修センターの充実、働き続けられる環境整備に優れた企業や女性の表彰なども挙げた。
都道府県協会の具体的な取り組み事例なども盛り込んでいる。
提供:建通新聞社