創業10年未満の中小企業者の受注機会に配慮―。政府は10日、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律等の一部を改正する法律案(中小企業需要創生法案)」を閣議決定した。官公需法と地域資源法、中小機構法を一体的に見直し、地域の中小企業の需要創出を図る。政府は今通常国会に法案を提出し、会期中の成立を目指す。成立後は速やかに公布、3カ月以内に施行する。
官公需法については、創業10年未満の中小企業者を「新規中小企業者」と定義。優れた商品やサービスを有していても、官公需では実績評価と与信で不利な位置に置かれていた中小企業者への配慮を規定する。
新規中小企業者などに向けた契約目標も設定し、「新規中小企業者」をはじめとする中小企業者の受注機会の増大を図る一方、目標達成のための措置などを盛り込んだ「国の基本方針」を策定する。各省庁や公庫・独立行政法人などにも基本方針を踏まえ、新規中小企業者などとの契約に関する「契約の方針」を策定するよう求める。
経済産業大臣は、各省各庁などが新規中小企業者をはじめとする中小企業者との間で交わした契約実績の概要を公表。中小企業基盤整備機構(中小機構)が政府機関の依頼に応じ、中小企業に関する情報提供などの協力業務を行うことも規定する。
官公需法とともに中小企業需要創生法案を構成する「中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律(地域資源法)」は、地域資源を活用する事業者が中小機構から貸付資金の供給を受けられるようにし、地域資源の掘り起しや商品開発・販路開拓に市区町村が積極的に関与できるよう改正する。
創生法案を構成するもう一つの法律「独立行政法人中小企業基盤整備機構法(中小機構法)」は、市町村が地域資源を活用する中小事業者に対し、高度化融資を行えるようにする。同機構への立ち入り検査権限の一部を金融庁に委任できるとした規定も設ける。
提供:建通新聞社