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中央ニュース

2015/03/05

首都圏空港の鉄道アクセス 当面は既設改良

 国土交通省の交通政策審議会に設置されている「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」は3日、首都圏空港への鉄道アクセス改善に向けた基本的な考え方について意見を交わした。国交省はこの中で、都心アクセスに加え、ビジネス・観光・広域移動・乗換利便性の観点で整備路線を検討する方針を示し、当面は既設路線の改良が望ましいとの方針を示した。小委員会では、審議の対象を都市鉄道、モノレールや新交通システムなどを含め、整備の目標年次を2030年とすることも決めた。
 小委員会は、00年に運輸政策審議会がまとめた「答申第18号」の目標年次である15年度中に、東京圏で今後整備すべき路線などについて新たな答申をまとめる。
 首都圏空港(成田空港、羽田空港)への鉄道アクセスについては、首都圏の国際競争力の強化と訪日外国人旅行者2000万人の政策目標達成、20年東京五輪への対応などの理由で、さらに改善する必要がある。国交省はその際、都心へのアクセスだけでなく、より幅広い観点で改善を目指す必要性を示し、具体的に、ビジネス、観光、圏域外への広域移動、乗換利便性の向上に配慮する必要があるとした。
 これらの観点で鉄道を整備する際には、まず既存ストックである既設路線の改良で対応することとし、それでもなお課題を解消できない場合に新規路線整備を検討すべきとの考えを示した。
 また、新たな答申の対象地域は、東京都心部を中心とするおおむね半径50`の範囲とし、対象の交通機関は、都市高速鉄道に限らず、モノレール、新交通システム、路面電車を含む鉄軌道とする。答申で今後整備すべきと位置付けられた路線の整備目標年次は30年とする。14年度末までに中間答申、15年度中に最終答申をまとめる。

提供:建通新聞社