環境省は「国立公園等整備事業(工事)」における総合評価落札方式の実施方針(案)をまとめた。今後は予定価格が6000万円未満の工事については原則として総合評価落札方式を採用。国土交通省に倣い、施工能力評価と技術提案評価の二つに「2極化」する。
総合評価落札方式の拡大に伴う事務負担を軽減するため「自然公園等整備事業」の工事は「施工能力評価型(U型)を基本とする考え。この型(U型)では原則として施工計画の提出は求めず、同型(T型)の場合は、施工計画を「可」か「不可」のみで評価する。高度な技術力を求める場合は「技術提案型」で発注する選択肢も残すが、その場合は、施工上の課題について技術提案を求めるS型を基本とする。
競争に参加する企業と技術者の能力評価については「工事成績」と「表彰等」―の2項目を標準的な評価項目として追加。これに伴い施工実績、工事成績、表彰等の配点を高める。
また、品質確保・向上に特化し、手持ち工事量、地域精通度、地域貢献度などについては、配点を下げた上で企業の技術力の項目で必要に応じて設定。企業と技術者の能力評価の配点割合は1対1とする。
「自然公園等整備事業」の工事の実績のない(少ない)優良な企業にも競争入札への参加を促すため、難易度が低い工事では競争参加資格要件として過去の施工実績を問わず、総合評価の段階で施工実績を加点評価する。技術提案を評価することが新規企業の競争参加を促すと考えられる場合は、技術提案評価型(S型)の活用を検討する。
新たに評価項目に追加する企業の工事成績と表彰等の適用年数は、過去2年間。若手技術者の育成や技術力の向上につなげるため「専任補助者」を配置できることとし、同補助者を評価対象者に加える。
一方、技術提案の評価については、技術提案評価型(S型)の「技術提案」と「企業の能力+技術者の能力」の配点割合を同じ1対1とする。また同型(S型)のテーマ設定数は1テーマを標準(提案数は最大五つ)とし、上限値を決める数値方式か、優・良・可―の判定方式で評価、品質向上につなげる。
提供:建通新聞社