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2015/02/24

PRE活用に証券化手法 国交省が手引書

 国土交通省は、不動産証券化手法を導入して地方自治体が所有する公的不動産(PRE)を活用するための「手引書」を作成する。国内不動産の4分の1を占める公的不動産の活用を拡大するため、証券化手法の導入段階で検討すべき項目などを自治体向けに整理する。2015年度に証券化手法による公的不動産の活用に取り組む自治体を対象とするモデル事業を実施し、事業の成果を踏まえて15年度末までに手引書をまとめる。
 国・自治体が所有する公的不動産の資産価値は約570兆円に上り、このうち自治体が所有する不動産は約420兆円で約7割を占めている。自治体の財政健全化、少子高齢化などに対応した施設の統廃合・再編に対応するには、公的不動産を戦略的に活用する必要がある。
 こうした背景を踏まえ、国交省は公的不動産の活用に不動産証券化手法が有効と考えている。自治体にとっては、不動産証券化手法によって、民間資金を円滑に調達できたり、地元企業・地域金融機関主体の証券化スキーム組成といった地元中心のまちづくりにもつながるとみている。
 同省ではまず、3月末までに不動産証券化手法で公的不動産を活用した事例集をまとめる。続いて、15年度に事業の実施段階における検討フローなどを明らかにする自治体向けの手引書を作成する見通しだ。手引書を作成するため、先進的に証券化手法を活用する自治体を選び、事業手法の検討経費などを同省が負担するモデル事業も行う。
 不動産証券化手法による公的不動産の活用は、政府が昨年12月に閣議決定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」にも、手引書の作成・普及、モデル事業の実施などが盛り込まれており、政府の地方創生政策の一つに位置付けられている。

提供:建通新聞社