建設業情報管理センター(CIIC)は、同センターで経営事項審査を受けた5万6988社を対象とする「建設業の経営分析(2013年度)」をまとめた。企業の収益性を示す「総資本経常利益率」は、前年度比1・4ポイント増の2・66%と大幅に改善。「技術職員1人当たりの完成工事高」は前年度から約265万円減少。技術職員数が完工高を上回る伸び率を示しており、先の受注を見越して、技術職員の新規採用が進んだとみることもできる。
調査対象は、13年度にCIICに経営状況分析申請があった建設業のうち、法人組織で、兼業売上高が総売上高の2割未満の企業。さらにこの中から、資本金5億円以上たったり、負債総額200億円以上の大企業も除外している。
総資本経常利益率は、全体で1・4ポイント増の2・66%となり、2年連続で大きく改善した。業種別では、職別工事業が1・84ポイント増の3・73%と最も大きく利益率が上昇した。売上階層別では、全階層で利益率が改善したものの、売上高5000万円未満の企業はマイナス0・94%と依然として利益率がマイナスの状態にある。
ここ数年、横ばいで推移していた自己資本比率は1・52ポイント増の20・95%と充実。各企業で資産・負債の圧縮傾向が強まった。
生産性を示す技術職員1人当たりの完成工事高は、265万6000円減少し、3332万2000円に下がった。技術職員数は32・4%増と、完工高の7・7%増を大きく上回る伸びを見せており、先の受注を見据えて技術職員を雇用する企業が増えたようだ。1社当たりの技術職員数の平均も8人から10・5人に増えている。
利益率が上昇がする一方、完成工事高から材料費・労務外注費・外注費の総額を控除する「建設工事付加価値率」は0・08%減の44・07%とわずかに減少、労務費・材料費が高騰した影響が出てきている。
提供:建通新聞社