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中央ニュース

2015/02/02

労務単価 平均4・2%増 

 国土交通省と農林水産省は30日、2月1日に適用する公共工事設計労務単価を発表した。全国全職種(49職種)の平均は2014年2月改訂時と比べ4・2%増の1万6678円(割合は単純平均、金額は加重平均)。単価の公表を始めた1997年度以降、下落傾向が続いていた労務単価は2012年度から4年連続で上昇、12年度比で28・5%上昇したことになる。東日本大震災の被災3県における全職種平均の単価は6・3%増の1万8224円(12年度比39・4%増)。福島県では、被災3県で行っていた単価の引き上げ措置の対象をこれまでの7職種から37職種に拡充した。国交省直轄工事では、30日に入札を開始する工事から新単価の適用を開始した。
 公共工事の積算に使用する公共工事設計労務単価は、技能労働者の所定労働時間8時間当たりの基本給と基準内手当て、1日当たりの臨時給与と実物給与で構成。改訂した労務単価は、昨年10月に行った公共事業労務費調査の結果から算定されたもので、十分な有効標本数が確保できなかった「屋根ふき工」と「建築ブロック工」は単価の設定に至っていない。
 今回は、労務費調査で得られた実勢価格を適切、迅速に反映するとともに、予算執行に万全を期すため、例年4月だった改訂の時期を2年連続で前倒しして行った。13年4月改訂から反映している法定福利費相当額(本人負担分)の加算は継続している。
 技能労働者が多い主な職種の全国平均は、鉄筋工が5・6%増、型枠工が5・2%増、とび工が5・6%増、左官が5・2%増といずれも全国全職種平均を上回った。地域別では、福島県の引き上げ措置が拡充された東北に加え、北陸、九州の伸び率が高かった。
 被災3県では、13年4月改訂から上昇傾向の強い職種を対象とする引き上げ措置を講じており、実勢価格で算出した対象職種の労務単価に5%の上乗せを行っている。これまで、福島県の引き上げ措置の対象職種は岩手県、宮城県よりも少ない7職種だったが、復興事業が本格化することを踏まえ、岩手県、宮城県と同じ37職種に5%の上乗せを適用する。福島県の全職種平均単価は8・9%増と全都道府県で最も高い伸び率となった。
 改訂した労務単価は、4月1日以降も引き続き適用する見通しだ。

提供:建通新聞社