国土交通省と日本建設業連合会(日建連)は、26日に開いた「意見交換会フォローアップ会議」で、工程管理情報の受発注者間の共有と現場の週休2日などを拡大するための試行工事について、それぞれ全国に展開することを確認した。全体工程を左右するクリティカルパス″などの工程管理情報を共有するモデル工事は「一般土木A」を基本に他工種にも展開。現場の週休2日の確保に向けては、2014年度のモデル工事で明らかになった課題を踏まえ、隣接する複数工事や他工種での実施を検討する。
工程管理情報の受発注者間の共有については、国交省が中国地整の「鳥取西道路気高青谷トンネル第2工事」(施工・西松建設)の現場意見、日建連が全国9現場で行ったヒアリングの結果を報告。いずれの現場でも、受発注者で共通認識が生まれ、全体工程の遅延防止対策を事前に検討できるといった効果が得られたという。
今後は「一般土木A」の対象工事を基本に試行工事をさらに増やす。14年度の試行に多かったトンネルだけでなく、道路改良や河川樋門樋管などの他工種に拡大する。
週休2日などの確保に向けては、中部地整における「平成26年度東海環状大垣西ICランプ橋床版工事」(施工・西濃建設)の試行工事の現状が報告された。土日を原則休工日としたこの現場では「週休2日取得表」を作成して作業工程と休日取得率を検証。土日祝日の取得率は着手日以降で105%に達している。
ただ、日建連が会員企業に行ったアンケートでは「工事遅延を回復するため、計画的に土日閉所が実施できない」「日給制の技能労働者の稼働日数を減らせない」などの課題も示された。家族の休暇と合わせるためには「週休2日」ではなく、「土日閉所」が望ましいとする意見も強い。
国交省と日建連は15年度以降、こうした課題の検証も含め、休暇を取得できる環境を段階的に整備するためのモデル工事を他工種にも展開する方向性を確認した。
フォローアップ会議では、3月中に開く次回会合で、若手・女性の登用を促すモデル工事や現場の生産性向上に向けた取り組みについても意見を交わす予定。
提供:建通新聞社