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2015/01/26

技術者単価4・7%増 2年連続の大幅引き上げ

 国土交通省は23日、直轄の業務委託の積算に使う2015年度の「設計業務委託等技術者単価」を発表した。全業種平均の技術者単価(基準日額)は、前年度比4・7
%増の3万4175円。2年連続の大幅な引き上げとなったことで、単価は00年度当時の水準まで回復する。職階別でみると測量業務が平均で7・23%増と大きく上昇。地質業務の職階平均単価はピーク時の1997年度当時の水準まで回復した。また、15年度単価には「測量補助員」と「測量船操縦士」が新設され、職種を20職種に増やした。
 技術者単価(基準日額)は▽基本給相当額▽諸手当▽賞与相当額▽事業主負担額―で構成。時間外の割増賃金などは含まず、割増対象賃金比に応じて日額に割増率を乗じて算出する。
 15年度の技術者単価は、約700社・1万8000人を対象に行った実態調査の結果を踏まえて決定した。全職種平均の技術者単価は昨年度の4・74%増に続き、2年連続で4%台の大幅な上昇となった。
 各業務の単価を職階別にみると、設計業務は職階平均で5・16%増の4万2214円で、いずれの職種も前年度を4〜5%上回った。伸び率が最も高かったのは「理事、技師長」の5・48%増。
 測量業務の職階平均は7・23%増の2万7300円となり、3年連続で全職階の中で最も伸び率が高くなった。2006年度には、ピーク時の70%まで単価が落ち込んでいたが、15年度単価はピーク時の91%に回復した。
 新設の「測量補助員」は測量士・測量士補の資格を持たず、測量作業の補助業務を担当する技術者。これまでは、公共工事設計労務単価における「普通作業員」の単価を使って積算してきたが、雇用実態などを踏まえ、新職種として単価を決めた。初年度の15年度単価は、14年度の労務単価の普通作業員(東京)と比べ7・41%増の2万7300円。
 航空・船舶関係は2・43%増の3万2080円。前年度と同額となった「操縦士」を除き全職種で前年度を上回った。新設した「測量船操縦士」は、測量用船舶の操船作業などを担当する技術者。15年度単価は、これまで積算に使ってきた労務単価の「普通船員」(14年度単価、東京都)と比べ、8・92%増の2万3200円になる。
 地質業務の職階平均は3・64%増の3万0367円となったが、3職種のうち「地質調査員」のみは前年度単価と同額となった。

「特例措置適用を検討」

 23日に発表した技術者単価の適用は、1月中に改定値を発表する労務単価の適用日に合わせる。同省では、14年度技術者単価の決定時に行った特例措置の適用を検討している。適用日以降に契約する業務のうち、旧単価で積算したものについては、新単価で再度積算し、入札時の落札率を乗じた金額に契約変更する。

提供:建通新聞社