国土交通省は、総務省とともに行っている地方自治体に対する「歩切り」の実態調査で、自治体担当者からの相談に応じる。30日まで提出を求めている調査をめぐっては、すでに歩切りの定義や解釈について、自治体担当者からこれまでに数十件の相談が寄せられているという。国交省土地・建設産業局建設業課では「予定価格設定の責任者の判断を得た上で、まずは実態を報告してほしい」と話している。
適正な積算に基づく設計書金額の一部を控除する歩切りは、改正公共工事品質確保促進法に違反する行為と位置付けられた。こうした経緯を踏まえ、国交省は昨年12月、総務省と連名で全国の都道府県・市区町村に対する実態調査を開始。歩切りを行っていても見直しを行う意思がない自治体には、追加調査や個別のヒアリング、自治体名の公表などを行う考えだ。
調査開始後、国交省には、歩切りの定義や解釈に関する問い合わせが増えている。調査に当たり、国交省は歩切りに該当する行為として、慣例による一定金額の減額や端数の切り下げなどを例示。
ただ、こうした減額や端数の切り下げが、入札契約手続きの透明性確保を図るために合理的なものや、極めて少額にとどまるのであれば「やむを得ない場合がある」とも記載。問い合わせには、どのようなケースがこの「やむを得ない場合」に当たるのか、解釈を尋ねるものもあるという。
建設業課では「問われるのは発注者としての説明責任。まずは実態を正確に回答してもらいたい」と話している。併せて、調査の提出期限となる30日まで自治体からの問い合わせや相談に応じる考えでいる。
提供:建通新聞社