太田昭宏国土交通相は16日に行われた定例会見で、公共工事設計労務単価について「公共事業の執行にさらに万全を期すため、今月中に関係機関と調整し、見直しを行うよう指示した」ことを明らかにした。例年4月に行われる労務単価の改定が1月時点で行われるのは昨年に続き2回目。太田国交相は、労務単価と合わせて、直轄事業の業務委託の積算に使う技術者単価も1月中に見直すよう指示した。
労務単価は、昨年10月に行った公共事業労務費調査の結果を踏まえ、1月中に改定の内容を発表する。調査は公共工事に従事する51職種・約16万人の建設労働者の賃金を調査したもの。太田国交相は1月中の見直しを指示したことについて「(調査結果を)次の予算執行の中に明確に反映することが望ましいと判断した」と説明した。
労務単価は、13年4月の改定で全国全職種の平均で前年度比15・1%、14年2月に7・1%の大幅な引き上げが2年連続で行なわれている。国交省は、関係する農林水産省などと調整した上で、今月中に改定後の単価を決める。
一方、技術者単価は、直轄事業の業務委託の積算などに使用される建設コンサルタント、測量、地質調査などの技術者報酬額。労務単価と同様に実態調査に基づいて毎年度決められる。14年度は全業種平均で4・7%の増加となり、02年度当時の水準にまで回復、伸び率としても1993年以降で最も高くなっていた。
提供:建通新聞社