東日本・中日本・西日本・阪神・本州四国連絡橋の高速道路会社5社は、老朽化した構造物の大規模更新・修繕事業をスタートさせる。15日に開かれた国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会・国土幹線道路部会に更新・修繕計画を提示した。14年度内をめどに事業許可を得て、早いものは15年度に工事の発注手続きに入る。5社合計事業費で約3兆4000億円を投じる。
高速道路の更新・修繕は、財源確保(料金徴収期間の延長)を主目的とする道路法などの一部改正を受けて事業の前提が整った。先行して首都高速道路会社が14年11月に事業許可(関連整備含め事業費約6300億円)を得ている。
東日本・中日本・西日本の高速道路会社は3社で事業費約3兆円の計画を整理した。このうち大規模更新では1兆7468億円を掛けて、橋梁237`の床版取り換えや桁の架け替えを実施する。
具体例を見ると、中央自動車道の小早川橋(長野県、下り線)や東北自動車道の広瀬川橋(宮城県、上下線)は床版を鉄筋コンクリート製からプレストレストコンクリート製に取り換える。いずれも15年度に詳細設計付きで工事を発注し、16年度内に完了させる。
また、阪和自動車道の松島高架橋(和歌山県、上下線)は桁を鉄筋コンクリート製からプレストレストコンクリート製に架け替える。15年度の基本設計を経て16年度に詳細設計付きで工事を発注。19年度中の完了を目指す。
阪神高速道路会社の計画は事業費約3700億円。うち大規模更新に1509億円を割き、7路線10カ所の橋梁で▽全体の架け替え▽基礎取り換え▽桁・床版取り換え▽床版取り換え―を展開する。15号堺線・湊町付近の基礎取り換えや、1号環状線・湊町〜本町など4路線4カ所の床版の床版取り換えについては15年度から取り掛かる。
本州四国連絡橋高速道路会社は大規模修繕のみで事業費247億円の計画。橋梁18`の床版・桁に高性能床版防水や表面被覆など、盛土・切土12`に水抜きボーリングなどを施す。
提供:建通新聞社