国土交通省や建設業団体などでつくる「社会保険未加入対策推進協議会」の4回目の会合が19日に開かれ、社会保険加入に必要な法定福利費の確保に向けた申し合わせが行われる。国交省が民間建築工事の現場単位で行った加入状況調査などの結果とこれまでの対策の検証を踏まえ「一歩踏み込んだ対策」(国交省土地・建設産業局建設市場整備課)の推進について関係者間で合意する。デベロッパーなど主な民間発注者が加盟する業界団体にもオブザーバーとして参加を求め、問題意識を共有してもらう。
協議会は、建設業の社会保険未加入対策の推進に向けて、行政、元請け・下請け団体、学識経験者などが参加し、2012年5月に発足した。協議会の会合が開かれるのは、法定福利費を内訳明示した見積書の一斉活用について申し合わせを行った13年9月の会合以来、1年3カ月ぶり。
国交省は、昨年11月から、日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会に協力を求め、3団体の会員企業が請け負う現場の作業員単位で社会保険保険加入状況を調査した。19日の会合では、国交省が民間工事の現場単位で加入状況を初めて把握する今回の調査結果などを報告。併せて、加入状況と従来の対策の検証結果を踏まえた新たな加入促進策を提示し、協議会の場で関係者間で申し合わせを行う。
また、協議会には現在も、民間発注者側として、日本経済団体連合会、日本商工会議所、電気事業連合会の3団体がオブザーバーとして参加しているが、デベロッパー、製造業、インフラ関連の業界団体などにも参加を呼び掛けている。民間発注者側の参加団体を現在の3団体から10団体程度に増やし、対策の遅れが指摘されている民間建築工事における受発注者間の意識共有につなげる。
提供:建通新聞社