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中央ニュース

2014/12/26

技術者成績の配点重視 15年度本格実施へ

 国土交通省は、直轄事業の調査・設計業務で試行を始めた「技術者評価を重視した選定」と「新たな発注方式の選定表」について、2015年度早期の本格実施を目指している。受発注者向けに行ったアンケート調査などで、事務負担の軽減や適切な発注方式の選定に関する効果が確認できたとして、業務成績の分析結果を待って、本格実施に踏み切る考えでいる。
 技術者評価を重視した選定は、価格点と技術点の配点ウエイトが1対3の総合評価で、受発注者ともに負担感が強い「評価テーマ」の審査を取り止め、技術者の成績・表彰、実施方針の配点をそれぞれ引き上げたもの。
 ことし6月から▽堤防・護岸設計▽道路予備設計(用地幅)▽構造物予備設計(一般)▽構造物詳細・補修設計(一般)▽道路詳細設計(一般)―を対象に試行を開始しており、9月末までに138件が公告済み。
 受発注者に対するアンケート調査では、試行の目的である評価テーマの作成・審査の負担が軽減されたとの回答が、発注者で75%、受注者では100%に上った。一部に懸念のあった特定企業への過度な入札参加・落札の集中も見られなかったという。
 一方、発注方式の選定表は、地方整備局などが、発注する調査・設計業務に問われる知識や構想力などに応じて、価格競争、総合評価、プロポーザルのいずれかを選択するために使用する。従来の選定表は、選考すべき発注方式を明示しきれておらず、プロポーザル方式を選考すべき業務に他方式が適用されるなど、品質の低下が懸念されていた。
 6月に試行を始めた新たな選定表では、各方式で実施すべき業務の内容や選定の考え方を明確化したもので、これにより、9月末までに試行の対象業務のプロポーザル方式の採用率は、対象外の業務と比べ13%増加した。発注者である地整からも本格実施すべき、との意見が半数以上を占めた。
 国交省は、それぞれの試行業務の成績を分析し、品質の上でも効果が出たと判断できれば、15年度早期に本格実施への移行を決める。
 
提供:建通新聞社