改正公共工事品質確保促進法(品確法)に基づく「発注関係事務の運用に関する指針」(運用指針)を年明けに策定する方針がほぼ固まった。10月にまとめられた骨子案に対して提出された意見は、建設業団体から1000件、地方自治体から700件をそれぞれ超えており、これらの意見を反映させる作業が現在大詰めを迎えている。運用指針は、年明け早々にも開かれる見通しの「公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡会議」で最終決定する。
運用指針は、改正品確法に位置付けられた発注者責務を果たし、改正法の趣旨に沿って発注関係事務を行うための発注者共通のルールとなるもの。改正法第22条で、国が自治体、学識経験者、民間事業者らの意見を聞いた上で策定するとされており、国の中央省庁でつくる関係省庁連絡会議の場で最終的に決定する。
連絡会議の事務局を務める国土交通省では、7月に骨子イメージ案、10月に骨子案をまとめた。それぞれの段階で建設業団体と自治体から意見を募った結果、骨子イメージ案には約2400件、骨子案には1700件超の意見が寄せられた。9月の中央建設業審議会、12月の「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」で、学識経験者からの意見聴取も行われている。
国交省は当初、年内に関係省庁連絡会議を開いて運用指針を確定させる考えだったが、「各方面からの意見を可能な限り丁寧に反映させたい」などとして、年内の策定を見送る方針をほぼ固めた。ただ、従来から各発注者に運用指針に沿った発注関係事務の実施を求めるのは2015年度当初からとされており、指針の策定が年明けとなっても改正品確法の運用に与える影響は実質的にはない。
同省は、運用指針の策定後、自治体への発注者協議会や説明会などを開き、指針の内容を自治体や建設業界に周知する考えでいる。
提供:建通新聞社