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2014/12/19

建設業、石綿での労災、救済給付ともに最多

 厚生労働省は、2013年度の「石綿疾病の労災保険給付請求・決定状況(確定値)」をまとめた。建設業の労災保険法による支給決定件数は568件で、全業種の52・4%を占め、「石綿による健康被害の救済に関する法律(石綿救済法)」に基づく特別遺族給付金の支給決定件数は14件で、58・3%を占めた。いずれも全業種で最多。
 13年度の労災保険給付の請求件数は1115件(石綿肺を除く)で、支給決定件数は1007件(同)と、前年度とほぼ同水準となった。
 このうち建設業の労災保険支給決定の内訳は、肺がん209件、中皮腫273件、石綿肺37件、良性石綿胸水19件、びまん性胸膜肥厚30件。石綿救済法の内訳は、肺がん8件、中皮腫4件、石綿肺2件。
 労災保険と石綿救済法を合わせた工種別の支給決定件数は、「建築事業(既設建築物設備工事業を除く)」が426件で最も多く、「既設建築物設備工事業」が112件、「機械装置の組み立てまたは据え付けの事業」が18件、「その他の建設事業」が26件だった。
 労災保険の支給決定件数を都道府県別に見てみると、東京都が115件で最も多く、以下、大阪府86件、神奈川県85件、兵庫県74件、広島県56件、北海道55件、愛知県53件―の順で多かった。
 特別遺族給付金の請求件数は40件(前年度比138件、77・5%の減)、支給決定件数は24件(同143件、85・6%の減)で、95年から05年の間に中皮腫で亡くなった故人の遺族に特別遺族給付金制度の案内を丁寧に実施したことなどが奏功し、請求件数・支給決定件数ともに増加した前年度と比べると、大幅に減少した。

提供:建通新聞社