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2014/12/18

「道路土工技術基準」 14年度末に制定

 国土交通省は、社会資本整備審議会道路分科会に道路構造物の技術基準の制定・見直を審議する「道路技術小委員会」を設置し、17日初会合を開いた。2014年度末に「電線等の埋設物に関する設置基準」「道路緑化技術基準」「道路標識設置基準」の改正、盛土・切土・法面を対象とする「道路土工技術基準(仮称)」を新たに制定するため、有識者から意見を聞く。15年度以降も基準の在り方を継続的に審議する。
 国交省は、道路分科会に設けた「道路メンテナンス技術小委員会」の意見を踏まえ、ことし6月に道路構造物全体にわたる定期点検要領を制定した。今後、点検基準の運用状況や新設・改築を含めた技術基準の在り方について審議するため「道路技術小委員会」を新たに立ち上げた。小委員会内に橋梁、トンネル、舗装、附属物、土工構造物、道路緑化の分野別会議を設け、基準の改正・制定などの詳細を議論する。
 14年度末に新たに制定する道路土工技術基準は、盛土・切土・法面などが対象となる。道路土工は降雨で強度が変化する特性があり、技術基準を定めることが困難だったことに加え、従来の小規模な構造物は被災しても短期間で復旧できるため、安全性などを担保する基準がなくても大きな問題に発展しなかった。
 ただ、近年は施工機械の進歩などにより、これまで築造されなかった高盛土、大規模なカルバートなど、損傷すると社会的な影響が高い構造物が増加。国交省は、施工実績が増えて信頼性の高い知見が蓄積し、技術基準の制定が可能であると判断。安全性の観点から、考慮すべき作用と要求性能、設計・施工・維持管理に関係する最低限必要な事項を技術基準として定める。
 一方、電線を地中化する際の基準を定める「電線等の埋設物に関する設置基準」は、低コストでコンパクトな無電柱化を進める目的で改正する。舗装の浅い位置に電力線や通信線を埋設した場合の影響を確認、電線類の埋設深さの基準を見直す。
 街路樹の剪定・除草が行き届かず、道路の見通しを阻害したり、高齢の樹木が増加して倒木が発生するといった課題があるとして「道路緑化技術基準」も改正する。高木・低木の植栽構成を一律に決める規定を見直し、地域特性に考慮した植栽構成へと転換する。
 道路標識設置基準は、1986年の制定以降1度も改正されておらず、すでに実施されている案内標識における英語表記や矢印の有色使用といった内容を基準に反映させる。

提供:建通新聞社