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2014/12/16

メンテ情報見える化″で提言案

 国土交通省は15日に開いた「社会資本メンテナンス戦略小委員会」に、インフラを管理する国・地方自治体にメンテナンス情報の見える化″を求める提言案を示した。インフラ管理者である国・自治体のミッション(使命)として「現場のための正確な情報の把握・蓄積」「情報の見える化」「情報の共有化」の3点を定義。施設点検が一巡する今後5年を「インフラ点検見える化5箇年」と位置付け、施設の健全性情報の集約化、施策の進捗(しんちょく)状況の共有化を進めることを求めた。
 提言案では、2012年12月に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故によって、国民のインフラ老朽化への関心が高まっているとし、さらに維持管理・更新の重要性についての意識が深まるよう、国・自治体が維持管理情報の記録とデータベース化を進め、情報を共有化した上で、分かりやすく公表する必要があると指摘した。
 国・自治体のミッションのうち、正確な情報の把握・蓄積を進めるための具体的施策としては、施設台帳の確実な整備と速やかに更新作業を行うとともに、点検結果、健全性評価、補修・修繕履歴の記録を法的に位置付けるべきとした。国交省に対し、データ入力様式の標準化を求めるとともに、点検・診断の受注業者に契約図書でデータ入力を義務付け、作業の省力化も図ることを求めた。
 情報の見える化に向けては、健全性の現状を▽施設数▽点検実施率▽健全性の評価別施設割合▽補修修繕実施率▽要対策老朽化施設リスト▽長寿命化計画―などに分類して公表することを求める。施設転用・統廃合の取り組み、ベストプラクティスを記載したポータルサイトの開設も要請した。 情報の共有化に向けては、国交省が共有化すべき重要な情報を整理し、階層化した上で公表、国民に現状への理解を訴える。。
 14年度に本格的に始まった点検が一巡する最初の5年は「インフラ点検見える化5箇年」と位置付ける。各ミッションに基づく具体的施策のうち▽個別施設の基本情報・健全性に関する情報の集約化▽施設の健全性の公表▽進ちょく状況・管理指標の共有―について、確実に実施することを促している。
 見える化を進める上で、市町村の技術職員不足などがネックになるとして、国・都道府県による市町村支援の実施も求めた。「インフラメンテナンス国民会議(仮称)」を設置し、行政、国民、民間企業、研究機関が一丸となって問題に取り組む体制も整えるべきとしている。
 小委員会は、提言案のパブリックコメントを年内に実施した上で、年明け2月にも提言を固める予定。

提供:建通新聞社