建設業における全国的な教育訓練体系の構築を目指し、発足した「建設産業担い手確保・育成コンソーシアム」は10日、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターに職業訓練校や企業の関係者を集め「建設関連職業訓練校等連絡会議(富士サミット)」を開いた。会合では、全国的な教育訓練体系の構築に向け、連絡会議の出席者が職業訓練のカリキュラム・教材の情報共有、講師の発掘・育成などで相互に協力することを確認。全国の訓練校などに同会議への参加を働き掛けることも決めた。
コンソーシアムは、建設業団体、国土交通省、厚生労働省、教育機関などが集まり、10月29日に発足した。富士教育訓練センターが中核的な役割を担い、特に担い手が不足する野丁場系の技能者に重点を置き、各地域における教育訓練体系となる「地域連携ネットワーク」を全国で展開する。
富士サミットは、コンソーシアムがつくったアクションプログラムに盛り込まれた事業の一つ。全国の職業訓練校のネットワークをつくることで、地域・業種・企業の大小を問わず、技能労働者が充実した教育訓練を受けられるようにすることを目指す。
具体的には、各訓練校が持つ職業訓練のカリキュラム・教材に加え、講師の情報も共有。職業訓練校の講師は、適任者が少なく、各訓練校も講師をみつけることが困難な状況にあるという。富士教育訓練センターなどを活用して講師の育成に取り組むほか、講師の発掘でも相互に協力する。
コンソーシアムの事務局を務める建設業振興基金の内田俊一理事長は10日の会合で「きょう集まったのは教育訓練の知見、能力、経験のある企業、職業訓練校ばかり。ネットワークをつくってもらい、情報交換の中から訓練内容を充実させることが、最初の動きになる。各地に生みだされる教育訓練の動きをサポート、補完する第一歩になればと思っている」と話した。
富士サミットに参加した企業・訓練校などは次の通り。
▽大林組▽大林組林友会教育訓練校▽鹿島▽鹿島事業協同組合連合会▽テクノアウター▽全国建設産業教育訓練協会▽近畿建設技能研修協会▽広島建設アカデミー▽宮崎県建設技術センター▽沖縄産業開発青年協会
【オブザーバー】
▽みやぎ建設総合センター▽淀川製鋼所▽マツザワ瓦店▽マドック▽静岡県建設業能力開発協会▽高知県建設業協会
提供:建通新聞社