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2014/12/04

インフラ長寿命化 行動計画の早期策定要請

 政府の「インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議」は3日に開いた会合で、各府省庁が2016年度までの可能な限り早期にインフラ長寿命化計画(行動計画)を策定することで一致した。地方自治体と所管法人に対しても16年度までの早期に計画を策定するよう要請する。総務省が行った調査で、行動計画の策定が17年度以降になると回答した自治体が35団体あったことなどを踏まえ、計画策定やインフラ老朽化対策に必要な財政的・技術的支援策の充実を図る方向性も確認した。
 関係省庁連絡会議は昨年11月、老朽化に起因する重要インフラ重大事故ゼロ、適切な点検・修繕によるインフラの健全性確保などを目指した「インフラ長寿命化基本計画」を策定した。
 基本計画では、インフラを管理・所管する国の関係省庁、自治体、所管法人などに対し、「点検未実施施設の解消」「緊急修繕の完了」「維持管理担当の技術職員を配置」などといった施策と工程を盛り込む行動計画の策定を求めている。
 ただ、基本計画の策定以降、行動計画をまとめた府省庁は、国土交通省と農林水産省のみ。所管するインフラが多く、自治体への影響も大きい警察庁、法務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、防衛省の6省は14年度中に計画を策定するものの、内閣府、総務省、外務省、財務省、環境省の4府省は15年度に入ってからの計画策定を予定している。
 自治体にとっては、ことし4月に総務省が策定を要請した「公共施設等総合管理計画」が行動計画に当たる。計画をすでに策定した自治体は5団体、14年度策定が111団体、15年度策定が460団体、16年度策定が1177団体だが、17年度以降と答えたところも35団体あった。計画の対象施設が多岐にわたることに加え、長寿命化とともに施設の統廃合なども計画に盛り込まれるため、調整・協議に手間取るケースもあるという。
 各府省庁の所管法人では、各法人が管理する施設を行動計画の対象とするか決まっていないところもある。各府省庁が、14年度中に対象施設を決定し、16年度までに計画を策定することを要請する。
 3日の関係省庁連絡会議では、自治体の技術職員不足などの要因で行動計画の策定が遅れる可能性があることも考慮し、各府省庁が財政・技術支援の充実を図ることで一致した。すでに取り組んでいる支援策の一覧をまとめ、自治体などに周知することも決めた。

提供:建通新聞社