国土交通省は28日、インフラ点検・診断の資格制度の登録規程を告示し、登録を希望する民間資格の公募を開始した。12月19日まで申請を受け付け、社会資本整備審議会・交通政策審議会に設置した「技術者資格制度小委員会」の審議を経て、年明け1月下旬に登録資格を公示する。国交省は、2015年度当初から登録資格を直轄の業務委託に活用することを目指しており、資格保有者の所属を入札参加要件にしたり、業者選定時に優遇する方向で検討する。
資格の対象は▽橋梁(鋼橋)▽同(コンクリート橋)▽トンネル▽砂防設備▽地すべり防止施設▽急傾斜地崩壊防止施設▽海岸堤防等▽港湾施設▽空港施設▽公園施設(遊具)―の10施設分野。各分野において、点検、診断、補修設計を発注する際の標準的な発注単位17業務を定め、各業務における管理技術者と担当技術に求められる知識・技術を明示している。
資格の登録要件として、団体の運営管理体制や資格試験の運営・審査体制、資格試験に求める技術的事項なども設定。登録は5年更新とし、登録要件に適合しない場合に登録を取り消すことができる規定も設けた。
国交省は12月19日まで登録申請を受け付けた上で各資格の評価案を作成、15年1月中旬に開く技術者資格制度小委員会で審議する。同年1月下旬には初めての登録資格として公示する。
「来夏に登録資格拡充も」
国交省は、技術者資格制度小委員会で、引き続き登録資格の拡充についても検討する。点検要領などが未作成であることを理由に今回の登録規程に盛り込まなかった下水道の「管路施設」や河川の「堤防・河道」を含め、登録資格の対象施設・業務などの拡充を検討する。
小委員会で拡充に関する方向性を固めた上で、15年夏に新たに登録規程を告示、同年秋にも2回目の民間資格の公募手続きに入る。
提供:建通新聞社