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2014/11/26

下水道小委が答申案 国交省 

 国土交通省の社会資本整備審議会に設置された下水道小委員会は25日、「新たな時代の下水道政策の在り方について」と題した答申案をまとめた。下水道の改築更新費の増加が見込まれる中で、地方自治体に「事業管理計画(仮称)」の策定を求め、施設全体の機能維持を図ることを提言。職員数が減少している市町村の執行体制を補完するため、関係者が「総力を結集」する必要があるとし、日本下水道事業団による事業の代行、協議会設置による管理者同士の連携強化などを要請した。
 答申案では、下水道をめぐる課題として、施設の老朽化、担当職員の減少、財源である下水道使用料収入の不足を挙げ、下水道管理者に対して「危機を直視しなければならない」と一丸となって施策を実行する必要性を指摘した。
 具体策としては、予防保全型管理の要素を組み込み、点検・調査・改築などを一体的に捉えた事業管理計画の策定を下水道管理者に義務付けることを求めた。国は、施設の健全性を確保する維持・修繕の基準を新たに策定するとともに、全国の施設情報を網羅した「下水道全国データベース」を構築、管理者である自治体を支援する。
 各自治体における下水道担当職員の減少やノウハウの不足を補うため、日本下水道事業団の機能強化。事業団が下水道管渠の面整備などの事業を代行する制度を整える。都道府県が事業を代行したり、流域下水道と一体的に施設を管理できる仕組みも整備する。
 隣接する自治体同士が相互に管理者としての役割を補い、広域連携を図るため、、都道府県、国、日本下水道事業団も参加した協議会の設置も促す。
 答申案ではこのほか、気候変動の影響による局地的集中豪雨に適応するため、都市部における浸水対策を強化する方向性も提示。下水道のみで対応できない豪雨被害を防止・軽減するため、民間の雨水貯留施設の管理などを促進する制度の創設、雨水のみを排除する公共下水道事業の実施を検討するよう求めた。
 国交省は、年明け1月にもまとまる答申を踏まえ、制度の創設や見直しに必要な下水道法改正などについて検討する方針でいる。

提供:建通新聞社