全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は19日の理事会で「社会資本整備の着実な推進とその担い手の育成・確保について(決議)」と題する意見書を承認した。2014年度の地域懇談会・ブロック会議を踏まえ47都道府県協会の総意としてまとめたもので、公共事業予算の確保や担い手3法の理念・趣旨の徹底などの柱を掲げて要望項目を盛り込んだ。同日、近藤会長らが国土交通省や自民党本部に出向き、意見書に基づく要望活動を行った。
柱のうち公共事業予算の確保では▽中長期的な国土保全ビジョンの早期策定▽災害に強い生活基盤づくりと地域経済の活性化▽東日本大震災による被災地の復興▽防災・減災のためのインフラ整備―などを列挙。2015年度当初予算での公共事業予算の確保や、迅速な事業執行に万全を期すとともに、老朽化対策の促進と景気の下支えに向けて、公共事業を中心とした補正予算を機動的に編成するよう求めた。
また、担い手3法の理念・趣旨の徹底では、改正品確法の運用指針に基づく指導や、低入札価格調査基準の引き上げ、自治体のダンピング対策、歩切りの根絶を要望。債務負担行為の一層の活用や適正工期の設定などで、発注と施工時期の平準化を図るよう訴えた。
さらに、設計労務単価の調査・決定方法の抜本見直しや週休2日制の実現、社会保険加入の促進などを通じて労働環境を改善する他、職業訓練施設の機能強化や技術検定試験制度の見直しなども進め、地域建設業の担い手の育成・確保に全力で取り組むよう求めている。
近藤会長=写真=は理事会後の全国会長会議で、改正品確法に基づく▽歩切りの禁止▽ダンピング防止▽計画的な発注、施工の平準化―などの発注者責務を「全ての発注者に全うするよう求める」と述べる一方、労働環境の改善などの受注者責務については「地域の実情に合った積極的な取り組みが行われている」と、都道府県協会の活動に謝意を表明。
その上で、意見書に基づく要望活動によって「皆さんからいただいた声が建設行政に的確に反映されるよう全力で努力する」との姿勢を示しながら、各協会に「関係各所に対し声を届けてほしい」と呼び掛けた。
提供:建通新聞社