建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)は13日、2014年度全国大会を日本消防会館(東京都港区)で開いた。才賀会長は冒頭のあいさつで「利益が出ず、賃金をまともに払えないような受発注をしない『安請け合いはしない、Noと言える専門工事業』として、健全な産業を目指すことが専門工事業の社会的使命だ」と強調。出席した太田昭宏国土交通相=写真=は「現場で働く技能労働者がいい仕事ができる環境づくりに全力を傾ける」との意気込みを語った。
15回目を迎えた今回の全国大会のテーマは「建設業の現状を変える専門工事業〜安請け合いはしない『No』と言える専門工事業を目指して」。 才賀会長は、東日本大震災の復興やインフラの老朽化対策などの「『国家的事業』への対応が急務となる中、工事の中心を担う労働者が減少を続け、円滑な事業執行が危惧されている」との認識を示した上で「建設産業が生涯を託せる産業であることを専門工事業が発信することが大事だ」と訴えた。
太田国交相は大臣就任から約2年を振り返り「インフラ整備がこれほど大事な時期に『公共事業が悪玉である』という
悪罵が投げつけられる事態を脱皮できないことに、怒りにも似た気持ちを持ち続けてきた」との心情を吐露。担い手3法の改正などにより「ようやくそうした流れが変わりつつある状況でもある。最大の課題である現場の技能労働者の処遇改善にこれからも取り組んでいきたい」と述べた。
全国大会では、日本建設業連合会の中村満義会長と全国建設業協会の近藤晴貞会長も出席。中村会長は「活力のあふれた専門工事業には、新規入職の促進と育成が不可欠。業界全体で取り組んでいきたい」、近藤会長は「総合工事業、専門工事業の垣根を越え、建設産業に携わる全ての人々が一致団結して担い手の確保・育成に取り組むべきときだ」とあいさつした。
大会ではこのほか、全国工業高等学校長協会の國馬隆史総務理事が「工業高校生への魅力的なアプローチ」、合意形成マネジメント協会の百武ひろ子理事長が「地域づくりの担い手としての役割と新たなコミュニケーション」をテーマにそれぞれ講演した。
提供:建通新聞社