宮地エンジニアリンググループ(青田重利代表取締役社長)は7日、三菱重工業(宮永俊一取締役社長)と同社のグループ会社である三菱重工鉄構エンジニアリング(MBE、吹原正晃取締役社長)の株式譲渡契約書及び株主間契約書を締結したと発表した。宮地エンジニアリンググループは、独占禁止法の手続きなどを経た上で2015年4月1日にMBEの株式の51%を取得。MBEは同日からエム・エムブリッジに商号を変更する。
宮地エンジニアグループの子会社である宮地エンジニアリング(青田重利代表取締役社長)を交えた4社は、東京証券取引所への情報開示後に会見。青田社長は「橋梁事業をめぐる事業環境は激変している。今後の事業の持続的成長、発展のためには、さらなる技術力の集積・向上、経営の合理化・効率化による収益力の強化が必要、との認識で一致した。鋼橋メーカーのトップクラスを目指していきたい」などとMBE株式取得の理由を説明した。
その上で「三菱重工とMBEとは、これまでもJVでの鋼橋製作・施工などを通じて信頼・協力関係を築いてきた。われわれには免震や新幹線など自負する技術があるが、三菱には鈑桁の連続製造ラインやハイブリッドケーソンなどわれわれにはない技術がある」と強調。「相互の理解をさらに深め、橋梁事業全般にわたり、技術力、営業力、コスト競争力などの面でシナジーを発現させていく」との考えを示した。
三菱重工業の木村和明代表取締役・常務執行役員は「三菱にはグローバルな成長が期待される分野に人・モノ・カネを投資していくという経営方針がある」と前置きした上で、「造船から発展した橋梁への思いが強い社員も多いが、残念ながら、橋梁事業は現在の経営環境、経営方針にはそぐわない」と指摘。「だからと言って自前でやっていくのは難しい。そこで、お互いに気心が知れた宮地エンジニアリングの人たちとであれば、(MBEの社員も)情熱とモチベーションをもって橋梁事業の発展に力を発揮してもらえると考えた」などと、伝統ある橋梁部門の株式譲渡に至った背景を丁寧に話した。
提供:建通新聞社