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中央ニュース

2014/11/07

補正予算「災害対策に限定すべき」

 政府の経済財政諮問会議が4日に開かれ、同会議の民間議員は「当初予算では計画的な社会資本整備を計上し、補正予算では原則、災害対策などの緊急対応に限定すべき」として、公共事業の縮小と民需主導の持続的成長を訴えた。臨時議員として会合に出席した太田昭宏国土交通相は「市場規模の急激な増減は、建設業界の混乱、人材の離職、資機材の処分を招く」と反論し、安定的・持続的な公共投資の確保をあらためて求めた。
 公共事業の縮小などは、同会議の民間議員を務める東京大学大学院の伊藤元重教授、東レの榊原定征会長、日本総合研究所の高橋進理事長、サントリーホールディングスの新浪剛史社長が連名で提言した。
 それによると、公共事業の増加が建設労働者の人手不足と資材価格の上昇を招くとともに、公共事業は公共工事設計労務単価の引き上げで着実に執行されているものの、民間工事の一部を抑制していると指摘。東京五輪への対応を含め「公共工事を平準化し、実施時期を含めた計画的な取り組みを推進することが必要」と主張した。
 建設技能労働者の労働環境にも触れ、労務単価を大幅に引き上げたにも関わらず、賃金の上昇が追い付かず、就業者の増加が短時間労働者に限定されていることを問題視。型枠大工を例に、技能労働者の社会保険加入率が「極めて低い」として、労働環境を早急に是正するよう求めた。
 これに対し、太田国交相はまず、国の当初予算における公共事業費はピークの1998年度と比べほぼ半分まで減少し、過去3年間も横ばいで推移している実態を報告。公共工事の増加が人手不足を招き、民間工事を抑制しているとの指摘には「土木と建築では、技能労働者は技術、資格、経験などが異なり、流動性はほとんどない」と明確に否定した。
 また、現場を支える担い手の確保は「製造業、運輸業なども含めた全産業の構造的課題」と結論付けた上で、労務単価の引き上げや社会保険の加入促進といった処遇改善の取り組みに加え、現場の省力化・効率化、重層下請構造の改善といった「構造改革」が必要だと訴えた。

提供:建通新聞社