全国中小建設業協会(全中建、松井守夫会長)は5日、改正公共工事品質確保促進法(改正品確法)をはじめとする「担い手3法」の周知徹底などを目的とした全国ブロック別意見交換会を東京都内で開いた。会員協会からは、単年度工事の発注時期の平準化や、自治体の発注担当者に歩切りの定義の周知徹底を求める意見などが出された。
全国7ブロックで開いている意見交換会のうち、今回は関東ブロックの全中建茨城・栃木が対象で、豊田剛副会長(東京都中小建設業協会会長)や佐々木勇全中建茨城支部長(茨城県建設業協会副会長)、玉木茂全中建栃木副会長(栃木県建設業協会副会長)ら12人が出席。国土交通省からは土地・建設産業局建設業課の佐藤守孝入札制度企画指導室長と、関東地方整備局建政部の川浪信吾建設産業調整官が参加した。
会の冒頭、豊田副会長は改正品確法で発注者責務が明確化されたことに触れ「発注者だけでなく、受注者も含めて官民それぞれが課題を一つ一つ解決し、業界全体を良くしていこう」と、活発な議論を促した。
国交省の佐藤室長は「建設業を巡る現状と課題について」をテーマに講演。担い手3法の概要や関連施策を説明した。
意見交換では、全中建栃木の玉木副会長が単年度工事の発注時期の平準化について「債務負担行為やゼロ国・県債を利用するなど、ガイドラインを作成して必ず実現してほしい」と強調。さらに全中建茨城の石津健光協議員は「平準化によって適正な利潤を継続して上げることで、若手入職者の確保にもつながる」と訴えた。
これに対し佐藤室長は、全国の地方整備局でブロックごとに発注見通しを統合・公表する取り組みを説明しつつ、「公表している情報の具体度が各局ごとに差があるなど、改善・工夫できる部分もある」との考えを示した。
また、歩切りについて全中建栃木の玉木副会長は「住民の代表である地方議会の議員が、歩切りについて必ずしも理解していない。安ければいいという意識が残っている」と指摘。各自治体の発注担当者だけでなく、議員への啓発の必要性も唱えた。
豊田副会長は意見を総括して「ことしが品確法元年=B適正に運用していくためには法律違反に対してペナルティを課すことも必要だ」と語った。
意見交換会は今後、12月2日までに▽中部(名古屋市泉区)▽四国(香川県高松市)▽九州・沖縄(沖縄県那覇市)▽中国(広島市中区)―の4カ所で開く。
提供:建通新聞社