全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は4日、東京・八丁堀のマツダホールで「女性の活躍応援フォーラム」(第57回全国建設労働問題連絡協議会)を開いた。女性の入職促進や継続就業を目指し、国土交通省と建設業主要5団体が策定した行動計画(8月)に基づく取り組みの一環。都道府県協会会員企業などの女性技術・技能者によるシンポジウム=写真=では、女性をめぐる厳しい現場環境を指摘する声や就業条件などについての発言が相次いだ。
シンポジウムに登壇したのは▽井上千鶴さん(松尾工務店)▽岩橋知美さん(畔蒜工務店)▽貞廣育子さん(鹿島)▽高野加津代さん(畔蒜工務店)▽谷川峰子さん(松尾工務店)▽中條真奈美さん(瀧田)―の6人。労働政策研究・研修機構の周燕飛副主任研究員の司会・進行を務めた。
現場の環境面については、更衣室などが「男性と一緒」「中小企業では普及していない」との声が上がった他、「女性の指示は受け入れてくれない」「子どもができたら仕事を続ける自信がない」といった不安の声が漏れた。
その一方で、子育てや家庭との両立に関して「会社と家族のサポートが十分あった」「育児休業後に内勤で復帰した」などと、女性が継続して働ける条件が整いつつあることも紹介された。参加者に「女性の職長では心配だろうか。男性は意識を変えてほしい」と呼び掛ける場面もあった。
フォーラムではまた、厚生労働省の小林洋子雇用均等政策課長が講演し、女性活躍推進法律案の内容などを説明した。
全建の近藤会長は、建設産業の担い手の確保・育成に向けて「技能者の処遇改善」や「若手の早期活躍」などとともに、「女性のさらなる活躍の推進に取り組むことが重要だ」と訴えた。
提供:建通新聞社