国土交通省が29日までにまとめた「直轄工事等契約関係資料」によると、2013年度の直轄工事の落札率の平均は91・92%で、前年度と比べ1・48ポイント増加した。13年5月に低入札価格調査基準価格を引き上げたことが主な要因とみられるが、平均値を見る限り、基準価格付近に落札が集中するこれまでの傾向は変わっていない。入札不調の発生件数(13年度中に契約した案件)は、前年度を77・4%上回る大幅な増加となったが、再入札時の落札率が低入札価格調査基準価格付近に集中する傾向は変わらない。
国交省全体の13年度の工事契約実績は、件数が10・5%増の1万7590件、契約金額が39・4%増の2兆4847億円で、大半を13年度に繰り越した12年度補正予算などの影響で大幅に工事量が増えた。
落札率の平均は91・92%で1・48ポイント上昇。部局別でも、地方整備局(港湾空港関係除く)が1・5ポイント増の91・96%、地方整備局(港湾空港関係)が1・97ポイント増の91・39%、北海道開発局が1・34ポイント増の92・13%、航空局・地方航空局・地方運輸局・気象庁・海上保安庁などが1・03ポイント増の91・04%となり、いずれも上昇傾向にある。
国交省直轄工事では、13年5月に低入札価格調査基準価格の計算式を見直し、一般管理費等の算入率を引き上げたため、調査基準価格の平均値が2%程度上昇しており、この影響が落札率の上昇に表れたとみられる。
入札不調の発生件数(再発注手続きを行い、13年度中に契約した件数)は77・4%増の1004件で、伸び率でみても12年度の48・2%増を大きく上回った。入札辞退のあった工事の件数も24・2%増の5010件、入札を辞退した業者数も32・7%増の1万3553者に大きく増えた。
ただ、入札不調の増加に比べると、落札率の改善は進んでおらず、いったん入札不調になり、再度入札を行う際にも、低入札価格調査基準価格付近に落札が集中する傾向があるという。このことから国交省は「13年度の直轄工事における不調の発生要因は価格だけでなく、工事量の増加に伴い、入札参加者が入札を選別したり、入札に参加できなかった結果ではないか。今後、発注時期の平準化に向けた取り組みがより重要になる」とみている。
一方、建設コンサルタント関連業務の契約件数は8・5%増の1万8383件、契約金額は22・3%増の3826億円となった。入札不調は前年度の約2倍となる648件、落札率の平均は1・8ポイント増の83・48%だった。
提供:建通新聞社