国土交通省は、改正公共工事品質確保促進法(品確法)に追加された多様な入札契約方式を普及させるためのモデル事業で、地方自治体に派遣する建設コンサルタントなど5社を決定した。秋田県大仙市と宮城県に日本工営、相模原市にURリンケージ、愛知県新城市に明豊ファシリティワークス、大阪府に建築保全センターをそれぞれ派遣する。
改正品確法では、公共工事の発注者が地域の実情や工事の特性に応じ「段階選抜方式」「地域における社会資本の維持管理に資する方式」「技術提案・交渉方式」といった多様な入札契約方式を導入することを認めることにした。
モデル事業では、多様な入札契約方式の導入を検討する自治体に、国交省が費用を負担して建設コンサルタントなどを派遣。最適な入札契約方式の選択に加え、事業費算定、工事費積算、入札説明書・特記仕様書の作成などを支援する。
国交省は、モデル事業の支援先である自治体を8月に決定し、9月に各自治体に派遣する支援者をそれぞれ企画競争で公募していた。大仙市は道路維持・除雪事業、宮城県は道路除雪事業に「地域の社会資本の維持管理に資する方式」、相模原市は公共下水道の整備に「設計・施工一括発注方式」か「ECI方式」、新城市は庁舎建設に「ECI方式」、大阪府は建築物の補修に「地域の社会資本の維持管理に資する方式」の導入を検討するとしている。
各自治体は、2015年3月までモデル事業による支援を受ける。国交省は、モデル事業の成果をマニュアルなどとしてまとめ、他の発注者が多様な入札契約方式を導入する際に活用してもらう。また、モデル事業などの成果をインターネット上で閲覧できるポータルサイトの立ち上げに向けて準備も進めている。
提供:建通新聞社