国土交通省は、地方整備局などに設置している「公共建築相談窓口」で、2014年度上半期(4〜9月)の6カ月間に地方自治体・国省庁・独立行政法人など、延べ930団体から1395件の相談を受け付けたことを明らかにした。入札不調・不落対策やスライド条項の適用方法、積算基準などについての相談が全体の6割を占めた。
国交省は、大型の公共建築工事における入札不調・不落の発生を受け、各地整に設置されていた公共建築相談窓口の機能を拡充。従来の建築物の保全などに関する相談に加え、不調・不落の発生に悩む自治体などから寄せられる積算・設計、入札手続きに関する相談にも応じるようになった。
14年度上半期の相談件数は▽積算・設計・入札手続き843件▽建築物の保全290件▽工事監理58件▽その他204件―の合計1395件だった。このうち、機能拡充で相談を受け付けるようになった積算・設計・入札手続きの内訳は、不調・不落対策が155件、スライド条項の適用方法が204件、その他(積算基準など)が484件だった。
不調・不落に関する相談に対しては、予定価格を入札日直近の最新単価とすることや、メーカーなどから見積もりの提出を求めて材料価格・複合単価・市場単価の設定に反映させること、不調・不落となった場合に入札参加者から見積もりの提出を求める方式を採用することなどの対策を助言している。
14年度上半期に相談に対応した事例には、不調・不落を繰り返していた宮城県気仙沼市や同県石巻市の新病院建設工事、福島県相馬市の市役所新庁舎建設工事、山形県鶴岡市の文化会館改築工事があり、8〜9月に掛けていずれも落札に至っている。
提供:建通新聞社