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2014/10/15

土砂法改正案 基礎調査公表を義務化

 広島市北部で8月に発生した土砂災害を踏まえ、都道府県に基礎調査の結果の公表を義務付ける土砂災害防止法改正案が14日、閣議決定された。調査結果の公表で、住民に土砂災害の危険性を周知するとともに、基礎調査を行っていない都道府県に国土交通相が是正要求を行える規定を設ける。開会中の臨時国会での成立、公布後2カ月以内の施行を目指している。
 土砂災害防止法基づき、土砂災害の都道府県が行う基礎調査は、地形図で、地形・地質・土地利用状況を調査するもので、都道府県は調査結果に基づき「土砂災害警戒区域」などを指定する。
 しかし、土砂災害危険箇所52万5000カ所に対し、基礎調査を完了した地域は約38万9000地域、土砂災害警戒区域の指定地域は約35万6000区域とそれぞれ約7割にとどまっている。地価下落などを懸念する住民に配慮し、基礎調査を行うことができなかったり、調査結果を公表できない自治体が多いためだ。
 法改正により、都道府県に基礎調査の結果の公表を義務付け、住民が地域の危険度を正確に知ることができるようにする。国交省が都道府県ごとの基礎調査の完了予定や進ちょく状況を把握し、調査が進んでいない地域に是正要求を行う権限を与える。
 防災・安全交付金で調査費用を重点配分するなどの財政支援策も同時に講じるほか、国・都道府県で「土砂災害防止推進会議(仮称)」を設け、国が所有する地形データを都道府県に提供して調査の負担軽減を図る。
 改正法ではこのほか、都道府県に対して、市町村に土砂災害警戒情報を提供することを義務付けたり、市町村が土砂災害に関する避難勧告を解除する際に国交省に助言を求めることを認める。

提供:建通新聞社