日本建設業連合会(日建連)の建築本部は、9日に開いた国土交通省官庁営繕部との意見交換会で、公共建築工事の円滑な施工の確保に向けた検討課題を提案した。主な柱に▽適正利潤▽適正な工期設定▽設計図書の適切な見直し―の三つを掲げ、発注者ごとの運用の違いなどを説明。また、公共建築工事の発注者がさまざまな対策の推進を通して、建築工事の8割以上を占めるとされる民間の発注者に「先導的な模範」を示すよう求めた。
日建連建築本部と国交省官庁営繕部が包括的な意見交換を開いたのは今回が初めて。
検討課題は会員企業へのアンケート結果を基に提案したもの。主な柱のうち「適正利潤」に関しては、市場単価と実勢とのかい離の是正や、予定価格設定後の単価上昇への対応の必要性を主張。併せて、自治体を含めた個々の発注者による「スライド条項の運用の違い」を説明し、見積もり単価採用項目がスライドの対象外になるケースがあることなどを伝えた。
また「設計図書の適切な見直し」では、発注に際して公開される数量が、国の「契約数量」に対して自治体などは「参考数量」と精度が低く、数量増に伴う設計変更もままならない現状を訴えた。
日建連建築本部と官庁営繕部は今後も意見交換を重ね、さまざまな課題の解決に取り組むことにしている。
提供:建通新聞社