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2014/10/08

運用指針骨子案 発注者協議会で連携強化

 国土交通省は7日、改正公共工事品質確保促進法(改正品確法)の「発注関係事務の運用に関する指針」(運用指針)の骨子案について、全国の地方自治体と建設業団体に対する意見募集を始めた。骨子案では、8月末に提出された自治体・団体からの意見を踏まえ、いわゆる「歩切り」を禁止することや、予定価格の事後公表を原則とし、事前公表とする際も建設業の適正な競争を損ねる弊害が生じないように取り扱うよう要請。ブロック単位で設置されている発注者協議会を活用し、発注者の連携体制構築を求める項目も追加した。
 運用指針は、公共工事の発注者が改正品確法に位置付けられた発注者責務を各発注者が果たし、改正法の趣旨に沿って発注関係事務を行うための共通ルール。国交省は、7月にまとめた「骨子イメージ案」に対する意見を自治体・建設業団体から募り、提出された意見を反映して「骨子案」として修正した。11月7日まで骨子案への意見を再度募り、12月中に運用指針として決定する。
 自治体から提出された意見では、運用指針の強制力を弱め、各発注者の実情を踏まえた柔軟な内容とすることを求める声が目立った。こうした声を踏まえ、骨子案は、運用指針を各発注者の体制や地域の実情に応じて適用するものと位置付けた。
 具体的には▽債務負担行為の積極的な活用▽施工時期の平準化▽発注見通しを地区単位で統合▽3者会議の開催▽退職金制度の確立・社会保険等への加入・労働条件の改善についての元請け指導―などの項目は、各発注者がその実施に「努める」と表現、各発注者に実施の判断を委ねた。
 その一方で、設計書金額を控除する歩切りの禁止をはじめ、最新の積算基準の適用、資材等の実勢価格の予定価格への適切な反映、適切な設計・契約・工期変更などは各発注者が「行う」こととし、強制力をやや強める表現で記述。
 予定価格の事後公表を「原則」とし、それでも事前公表を行う場合には、適切な積算を行わずに入札した建設業者がくじ引きで受注するなど、建設業者の技術力・経営力による適正な競争を損ねる弊害が生じない配慮を促し、弊害が生じれば速やかな事前公表の取り止めといった対応を求めた。
 各発注者が運用指針を踏まえた発注関係事務を効率的に運用できるよう、各発注者に地域発注者協議会に参加して連携体制を構築することも要請。市町村には協議会を通じて国・都道府県からの支援を受けるよう求めた。

「入札契約選択の視点を例示」

 骨子案ではまた、発注者が工事の性格などに応じて適切な入札契約方式を選択できるように「契約」「競争参加者の設定」「落札者の選定」「支払い」などに分類して選択の考え方を例示している。例えば、競争参加者の設定方法では、一般競争入札の選択を原則としつつも、災害時の応急復旧など緊急度の高いケース、契約の性質・目的が競争を許さないケースなどで随意契約の活用、も考慮するよう求めている。

提供:建通新聞社