国土交通省は3日に開いた国土審議会計画部会に、国土形成計画の改定に向けた論点を示した。「国土のグランドデザイン2050」に盛り込まれた国土づくりの理念を踏まえ、「地方創生」「活力ある大都市圏の整備」「国土基盤の維持・整備・活用」など六つの視点を提示した。このうち「国土基盤の維持・整備・活用」では、今後10年で優先的に整備する国土基盤などについても整理するとした。
国交省は、ことし7月にまとめた国土のグランドデザインや政府全体で進めている地方創生の動きを踏まえ、2008年に閣議決定された国土形成計画を改定する方針を決定。計画部会では、12月に中間報告、来夏に最終報告をまとめ、国土審議会に報告する。
初会合で国交省は、計画改定の論点として▽個性ある地方の創生▽活力
ある大都市圏の整備▽グローバル化への対応▽国土基盤の維持・整備・活用の方向性▽安全・安心で持続可能な国土の形成▽地域を支える人づくり、共助社会づくり―の6点を提示した。
このうち、国土基盤の維持・整備・活用については、目指すべき国土像を実現するために必要な今後10年間の投資の在り方について議論する。国土基盤の老朽化に関しては、人口減少を踏まえたインフラの機能連携、用途変更、統廃合などの視点も取り入れる。
地域を支える人づくり、共助社会づくりに向けては、地域の建設業に必要な人材育成の在り方も計画に盛り込む考え。技術者・技能者の処遇改善、若年入職、女性活用などの論点を示している。
提供:建通新聞社