国土交通省は、2015年度から情報化施工の「施工者希望型」による試行を増加させる。これまでは「発注者指定型」で活用件数の確保を優先してきたが、施工者希望型を増やし、意欲的に取り組む施工者を入札段階や成績評定で評価する段階に移行する。「マシンコントロール/マシンガイダンス(MC/MG、ブルドーザ)」の発注者指定型の対象は、情報化施工のメリットをより実感できるよう、従来の施工土量「1万立方b以上」から「2万立方b以上」の工事に絞り込む。
2013年度の直轄工事における情報化施工技術の活用件数は1114件で初めて1000件を超えた。2013年度に「トータルステーション(TS)による出来形管理技術(土工)」の使用が原則化されたことで、特に一般土木Cにおける活用件数が増加した。
一方で、国交省が行ったアンケート調査では「数量が限られる現場条件では、高価な機械の稼働率が下がり、費用対効果がでない」「工事規模・期間・形状など、施工条件とコストを勘案して導入する必要がある」といった課題も指摘された。
このため、15年度以降の試行では、未経験者が高度なノウハウがなくても効果を実感しやすいよう、発注者指定型の対象を絞り込み、メリットを感じる受注者が施工者希望型で情報化施工を採用することを促す。発注者指定型を採用する工事は、MC(モータグレーダ)で施工土量5000立方b以上、MG(バックホウ)で1万立方b以上、TS・GNSS締固め管理技術で1万立方b以上とする。
特に、MC/MG(ブルドーザ)を盛土敷ならし工で活用する場合、機器を連続的に1カ月以上稼働するためには、約2カ月以上の施工土量2万立方b以上が必要になる。このため、MC/MG(ブルドーザ)の発注者指定型は、現在の施工土量1万立方b以上から2万立方b以上に試行の対象を絞り込む。
また、試行の対象規模を超える工事であっても、例えば、MG(バックホウ)とMG無しの重機を組み合わせて活用するなど、施工者の創意工夫が生かせる現場を選び、発注者指定型を取り入れるようにする。
提供:建通新聞社