自民党の「土砂災害防止法の改正を検討するプロジェクトチーム」は、広島市北部の災害を踏まえた土砂災害対策の強化に関する提言をまとめた。警戒区域を指定するための基礎調査を終えていない都道府県に5年以内の調査完了と国に進捗(しんちょく)管理を求めたほか、基礎調査の結果を住民に速やかに周知する方向で土砂災害防止法を改正するよう要請した。
PTの提言では、広島県で死者・行方不明者32人を出した1999年の豪雨災害を契機に土砂災害防止法が制定されたにも関わらず、警戒区域を指定していない都道府県が存在することを「立法
の意図をくみ取らない異常事態である」と指摘。都道府県に対して警戒区域を指定するための基礎調査を5年で完了させる必要性を訴えた。
基礎調査が完了した地域では、法改正によって調査結果を速やかに住民に周知することをを義務付け、災害発生の危険性を住民に認識してもらう環境を整えるべきとした。
土砂災害防止法の特別警戒区域に指定された地域に対しては、国ががけ地近接等危険住宅移転事業や防災集団移転促進事業などの活用で自発的な移転を促すとともに、砂防事業を重点的に進めることで住民の安全を確保することを求めた。
提供:建通新聞社