建設業労働災害防止協会(建災防、錢高一善会長)が東京国際フォーラム(千代田区)で24日に開いた「創立50周年記念全国建設業労働災害防止大会」に出席した塩崎恭久厚生労働相は、「2013年に過去最少となっていた建設業の死亡災害が再び増加。ことしの上半期は前年同期比が約3割増となっている」と指摘し、この大会を通じ、建設産業界の労災防止への取り組みの強化と一層の尽力を要請した。
塩崎厚労相は建災防が設立された1963年当時と比べ、建設業の死亡災害が約7分の1にまで減少したことについて関係者への敬意を表した上で、「建設技能労働者の不足が顕在化している」との認識を示し、「現場の安全衛生が脅かされているのではないか」との懸念を口にした。
その上で、厚労省がことし8月建設業関係団体に対して行った「労働災害のない職場づくり」に向けた緊急要請について触れ、「東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて今後建設投資の増加が見込まれる。生活と産業の基盤整備を支えているのが建設業。その担い手となる建設業従事者の労働災害防止に一層尽力してほしい」と述べ、建設業の労災撲滅に向けた取り組みのさらなる強化を要請した。
提供:建通新聞社