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2014/09/12

経審改正 全建 新規採用の加点拡充要請

 国土交通省がまとめた若年技術者・技能者の雇用を加点評価する経営事項審査の改正案について、10日に開かれた中央建設業審議会総会では、建設業団体から改善を求める意見が挙がった。全国建設業協会(全建)の近藤晴貞会長は、若年技術者らの継続雇用の段階実施と新規雇用への加点幅拡充により「若年技術者を確保する意識が高まり、より成果が向上する」と発言。国交省の北村知久建設業課長は「建設業者が新たに若手を育成するインセンティブとなるよう、配点を検討する」と答えた。
 国交省がまとめた経審の審査項目と基準の改正案は、35歳未満の技術職員(主任技術者、監理技術者、登録基幹技能者)を継続的に雇用している企業や新規雇用する企業を「社会性等」(W点)で加点評価するもの。配点は15年4月の施行までに決める。
 全建の近藤会長は、今回の改正の大筋には賛同しつつも「長年の公共投資の減少などで地域の建設企業の経営状態は大変厳しく、技術者らのリストラを余儀なくされた経緯がある」と説明。
 その上で「継続的な雇用の評価については、今後の取り組みの成果が表れる10年程度の移行期
間をみて、段階的に実施すべき」と指摘するとともに、新規の若年雇用に対し「評価加点を上げる工夫などを行うことで、企業の若年技術者の確保に対する意識が高まるのではないか」と提案した。
 全国中小建設業協会(全中建)の小野徹副会長も今回の改正を「何とか努力目標として取り組みたい」と答えたものの「財政が厳しい地方自治体の発注工事に依存し、経営に苦労する中小建設業にとっては、若手技術者の採用には少し年数が必要になる」と述べるなど、地域建設業に対する配慮を求めた。
 また、東京大学の小澤一雅教授は「公共工事を請け負う産業のモデルを一つの評価点だけで表すことに限界が見えてきている」と経審の評価体系や在り方を見直すよう問題提起。北村建設業課長はこの指摘に対し「かなり根本的な議論になる。どういった観点で評価するかをしっかり議論し、(見直しの)案ができれば中建審に諮りたい」と答えた。

提供:建通新聞社