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2014/09/05

国交省 重層下請構造の実態把握へ

 国土交通省は、建設業の重層下請構造の改善に向け、2015年度に下請け次数などの実態調査を行う。下請け次数を工種別・工事規模別に調査することに加え、京都府や福井県などで行われている次数制限の運用状況も調べる。建設業における下請け構造の実態を把握した上で行き過ぎた重層化を抑制し、より円滑に賃金が現場の技能労働者に行きわたる環境を整備する。
 2015年度予算の概算要求に調査費2500万円を盛り込んだ。国交省は、建設業5団体などとつくった「建設産業活性化会議」の中間報告で、重層下請構造の改善を目指す方針を打ち出しており、15年度に実態調査を行った上で、技能労働者に円滑に賃金が行きわたる上で不要な次数の削減に向けた仕組みを検討する。
 重層下請構造の改善をめぐっては、京都府、福井県、新潟県などの自治体で、すでに次数制限などの措置を講じている。このうち京都府では、下請けの労働条件の悪化を目的に、一括下請負の禁止に加えて下請けの次数制限を実施。建築一式工事は3次下請け、その他の工事については2次下請けまでに次数を制限し、これらの次数を超える場合は、工事着手前に重層下請理由書と賃金台帳などの提出を求めている。
 国交省の実態調査では、公共工事を対象に下請け次数を工種別・工事規模別に調査するほか、こうした自治体の次数制限の運用状況も調べる。建設業の現場就労者が総合工事業や専門工事業と直接雇用関係にあることなどを求めている韓国の事例なども調査する。

提供:建通新聞社