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2014/09/03

無電柱化の推進に課題 総務省が問題提起

 総務省は2日、全国の管区行政評価局が実施した無電柱化の実態や個別事業の実施状況などについて調査結果をまとめるとともに、全国的・横断的課題が見つかったとして、「無電柱化を推進する上での全国的な課題」について問題提起する通知を国土交通大臣官房長に宛てて発出した。同省は国交省に対し、無電中化のさまざまなニーズを考慮した「より適切な指標の設定」「電線共同溝が完成した箇所の電柱・電線類撤去の徹底」を求めた。
 総務省は2012年8月に閣議決定した「社会資本整備重点計画」の中で、市街地など幹線道路における無電柱化率を16年度末までに18%とする目標を設定していることを挙げ、「現行の『無電柱化率』は市街化区域などの国道や都道府県道の道路延長から算出し、市町村道が除かれている上に、電柱が設置されていないトンネルや橋梁などの延長も含まれている」などと指摘。
 その上で「電線共同溝が完成した後に電柱・電線類が撤去されていない施工箇所や、宅地開発などによってむしろ電柱が増加している状況もみられた」として、現行の「無電柱化率」が、実態や事業の進捗状況を的確に表したものとなっているか疑問だとした。
 また、都道府県・政令市ごとに「無電柱化率」が公表されているにもかかわらず、都道府県・政令市ごとに「無電柱化率」の目標が設定されていない、などと指摘。地方ブロック無電柱化協議会の構成機関は「無電柱化率」の算出方法を知らず、国交省が「無電柱化率」を算出する際に用いている無電柱化データベースについても関係機関に共有されていなかったという調査結果も明らかにし、「『無電柱化率』の指標は関係機関に活用されているとは言い難い」と断じた。
 一方、大阪国道工事事務所管内の例を引き、電線共同溝完成後に道路占用許可が出されてから12年以上経っても電線が撤去されていない事例があったなどと厳しく指摘。中には、電柱・電線類の撤去状況を把握していない国交省の地方整備局(国道事務所)もあったことについても触れ、「電線共同溝事業は、電柱・電線類が撤去されて初めて効果が発現する」と強調、施工後の電柱・電線類の撤去の徹底を求めた。

提供:建通新聞社