国土交通省は、建設現場への女性の入職促進に向けて、建設企業や建設業団体、地方自治体が地域ネットワークを構築して行う採用活動や就労環境の整備を支援する。関係者がネットワークをつくり、個別企業では対応できない女性の採用、定着・就業継続、家庭との両立の各段階での課題に地域ぐるみで支援策を講じてもらう。国交省は地域ネットワークの構築や企業支援に必要な経費を助成する。
国交省の2015年度予算の概算要求に「もっと女性が活躍できる建設業地域協働推進事業」として、新規で5000万円を盛り込んだ。建設業団体や自治体などが構築する地域ネットワークを年間約10件程度支援する見込みだ。
国交省と建設業5団体は、2019年までの5年間で建設業における女性技術者を2万人、女性技能者を18万人にそれぞれ倍増させる目標を打ち出し、官民が今後5年間で取り組む行動計画を8月に策定した。
推進事業は、この行動計画に盛り込まれた取り組みの一環。個別企業での対応が難しい「女性の採用に積極的な企業の情報が届きにくい」「女性のキャリアパスが身近になく、将来が見通しにくい」「結婚・育児後の業界復帰が難しい」といった女性活用に向けたボトルネックに、地域における複数企業や官民の連携で対応することを促す。
採用段階の支援対象としては、女性の活躍に積極的な企業による合同説明会や女性向け現場見学会の開催、地域レベルで企業情報を一元的に発信するポータルサイトの構築などを想定。採用した女性が建設業に定着してもらえるよう、女性交流会やセミナーなどの取り組みも支援する。地域の建設企業と教育訓練施設が合同で、結婚・育児などで一時求職した女性の職場復帰も支援する。
提供:建通新聞社